基礎知識

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コールセンターのクレームが繰り返される4つの原因と仕組みで防ぐ具体的な対策

この画像は生成AIで作成しました

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コールセンターでは、クレームや理不尽な要求、カスハラへの対応に追われ、オペレーターの離職があとを絶たないと悩む現場が少なくありません。

しかし、適切な言葉遣いの徹底、NGワードの回避、エスカレーションルールの整備を進めれば、個人の頑張りに頼らず、組織全体でクレームを防ぐ仕組みを作れます。

本記事では、クレームが繰り返される4つの原因と、対話フレーズからAI活用まで、現場で実践できる対策を解説します。

コールセンターのクレームとは?苦情・カスハラとの違いを整理

コールセンターには日々さまざまな顧客の声が届きますが、その性質はクレーム、苦情、カスハラで大きく異なります。それぞれの違いを正しく理解することが、適切な対応への第一歩です。

クレーム・カスハラの定義

クレームとは、商品やサービスが顧客の期待水準を下回ったときに、企業へ対処を求める行為のことです。似た言葉に苦情がありますが、苦情は不満の表明そのものであり、賠償や対処の要求を必ずしもともなわない点でクレームと区別されます。

つまり、コールセンターにおけるクレームは、企業や商品、サービスに対して顧客が何らかの対応を求めている状態と定義できます。一方のカスハラは、顧客からの要求や言動の目的、内容が正当とはいえず、要求の伝え方や手段も常識の範囲を超えており、従業員が働きづらい状況に追い込まれる行為です。

クレームとカスハラの線引き|要求内容と手段で判断する

クレームとカスハラの線引きは、「要求内容が正当か」「要求の伝え方や手段が常識の範囲内か」という、2つの軸で判断します。内容に正当性があっても、怒鳴り続ける、長時間拘束するなど、手段が度を越えていればカスハラに該当します。

両者を分けて考えるべき理由は、性質がまったく異なるからです。正当なクレームは企業改善のヒントになりますが、カスハラは従業員の就業環境を脅かします。誠実に向き合うべき声と、毅然と対処すべき言動を組織として明確に区分しておかなければ、現場は判断に迷い、対応を誤ることになるでしょう。

カスハラが増加している背景と2026年の法改正

カスハラをめぐっては、法律面でも大きな動きがあります。2025年6月4日に労働施策総合推進法の改正法が可決・成立し、2026年10月1日からはすべての事業主にカスハラ対策が義務付けられます。もはや現場の工夫だけで済ませられる問題ではなくなりました。

特にコールセンターは、顔が見えない電話対応という特性上、顧客が感情的になりやすく、カスハラが発生しやすい環境にあります。法改正を機に、クレームとカスハラを見分ける基準づくりから着手すべきでしょう。カスハラ対策義務化については「カスハラ対策義務化でコールセンターはどう変わる?AI・NLPで実現するオペレーター保護と顧客対応の両立」の記事をご覧ください。

コールセンターにクレームが発生する4つの根本原因

クレームへの対策を講じるには、まず何がクレームを生んでいるのかを特定しなければなりません。ここでは代表的な4つの原因を解説します。

原因1:商品・サービスの品質不良や不具合

まず挙げられるのが、商品の不具合や破損、品質のばらつきなど、提供物そのものに問題があるケースです。クレームは、商品やサービスが顧客の期待水準を下回った時点で発生します。

つまり、この種のクレームを減らすには、コールセンターの応対以前に品質管理の徹底が必要です。企業側に明確な過失がある以上、その場の謝罪で終わらせてはいけません。再発防止策を講じ、開発や製造を含めた全部署へ情報を共有するまでが対応の一部だと考えましょう。

原因2:オペレーターの対応品質への不満

商品ではなく、対応そのものがクレームの火種になる場合もあります。例えば、オペレーターの言葉遣いの乱れ、態度の冷たさ、説明の不十分さが顧客の不満につながるケースです。

もともと問い合わせだった電話が、応対のまずさによってクレームに変わることもあります。

原因3:顧客の誤解・思い込み・説明不足

顧客の誤解や思い込み、商品内容や料金体系、使用方法についての説明不足も、クレームにつながる可能性があります。「聞いていた話と違う」「そんなことは知らなかった」といったクレームです。

一見すると顧客側の思い込みが原因のようですが、誤解を招く余地があった時点で、企業側にも責任の一端があるでしょう。説明のどこがわかりにくかったのかを洗い出し、案内の仕方を改善していくことが、同じ誤解の再発防止につながります。

原因4:悪意ある要求・ストレス発散目的のクレーム

残念ながら、ストレス発散や憂さ晴らしを目的として、理不尽なクレームを入れてくる顧客も一定数存在します。商品やサービスへの不満というより、誰かにぶつけたい感情が先にあるタイプです。

この種の顧客は、誠実に話を聞いてもらうこと自体を求めている場合が多いため、まずは話を聞きましょう。ただし、聞き続ければ解決するわけではありません。要求や言動がカスハラに該当する場合は、線引きの基準に沿って毅然と拒否する姿勢へ切り替える必要があります。

コールセンターにおけるクレーム対応で使えるフレーズ

クレーム対応では、何を対処するかだけでなく、どのような言葉を選ぶかも結果を左右します。同じ内容でも、言い方一つで顧客の受け止め方は変わるものです。

ここでは、場面ごとに使えるフレーズを紹介します。

謝罪・傾聴・共感で使うフレーズ

謝罪の基本は、「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」という一言です。ただし、やみくもに謝ればよいわけではないため、何に対して謝罪しているのかを明確にしたうえで使いましょう。全面的に非を認めたと、顧客に受け取られないためでもあります。

傾聴の姿勢を示すには、「おっしゃるとおりでございます」「ごもっともでございます」といったフレーズが、顧客の怒りを和らげる効果を持ちます。共感を伝えるクッション言葉としては、「お気持ちお察しします」「楽しみにお待ちいただいていたにもかかわらず、大変失礼いたしました」といった表現が有効です。

さらに、「ご指摘いただきありがとうございます」と意見を尊重する姿勢を示せば、怒りをしずめやすくなるため、積極的に使うとよいでしょう。

事実確認・解決策提示で使うフレーズ

話を聞いたあとの事実確認では「○○様がおっしゃっているのは△△ということでよろしいでしょうか」と復唱します。認識のズレを残したまま話を進めると、あとになって話が違うという二次クレームを招くことになるため、この確認は省けません。

確認のために顧客を待たせる場合は「確認に10分ほどお時間をいただきます」と、具体的な時間を伝えることで顧客のストレスを軽減できます。解決策を示す場面では「原因をすぐにお調べし、責任を持って対応させていただきます」と前向きな言葉で対応への意欲を伝えれば、顧客の安心感につながります。

要望に応じられないときも突き放してはいけません。「できる限りの対応をいたします」と寄り添いながら代替案を示すことで、顧客も納得しやすくなります。

避けるべきNGワードと言い換え一覧

適切なフレーズを覚えるのと同じくらい、使ってはいけない言葉を知っておくことも大切です。代表的なNGワードと言い換えは次のとおりです。

NGワード

NGとされる理由

言い換え表現

でも/ですから/だって

言い訳や反論と受け取られる

かしこまりました、ご説明させていただきます

そんなことはない/あり得ない

顧客の意見を全否定する表現になる

その点について詳しくお聞かせいただけますでしょうか

絶対に

断言が後のトラブルの原因になる

確認の上、適切に対応させていただきます

ごめんなさい/すみません

ビジネスの謝罪としては不十分

申し訳ございません

これらはあくまで一例ですが、こうした一覧を対応マニュアルに組み込み、研修で繰り返し確認しておくことで、とっさの場面での失言を防げます。

コールセンターのクレーム対応でやってはいけない3つのNG

クレーム対応では、してはいけないことを把握しておくことも重要です。ここでは、事態を悪化させる代表的な3つのNG行動を解説します。

NG1:話を途中で遮る・反論する

顧客の話を途中で遮ることは、怒りをさらにヒートアップさせます。こちらに言い分があったとしても、相手の話をさえぎることで「話を聞いてもらえない」という不満が上乗せされ、クレームが大きくなる可能性があるからです。

反論したい場面でも、まずは顧客の不満を最後まで吐き出してもらうようにしましょう。言いたいことをすべて話し終えると、人は落ち着きを取り戻しやすくなります。

NG2:言い訳・責任回避と取られる発言をする

仕方のない事情があったとしても、言い訳や責任回避と受け取られる発言は無責任な印象を与え、話をさらにこじれさせるきっかけになります。特に「自分は担当者ではないから」「自分のせいではないから」といった発言は禁物です。

顧客にとって、電話口のオペレーターは会社そのものです。組織の代表としての対応に反する言葉は、個人を守るつもりでも会社への不信感を膨らませてしまいます。言い訳を探すのではなく、顧客の話にしっかりと耳を傾けることが、責任回避の印象を与えないための基本姿勢です。

NG3:たらい回し・長時間の保留で待たせる

担当が違うからと顧客をたらい回しにする行為は、自社の都合でさらに待たせることを意味し、新たなクレームを引き起こす原因になります。他部署への引き継ぎが必要な場合は、まず顧客の話を最後まで聞き、内容をまとめたうえでエスカレーションしましょう。

二次クレームの解決には、一次クレームより多くの時間がかかるものです。初動でのたらい回しを防ぐことが、結果として自社の負担軽減につながります。

コールセンターのクレームを減らす3つの予防策

クレームを完全になくすことはできませんが、発生件数を抑えることは可能です。組織として取り組める3つの予防策を紹介します。

予防策1:過去クレームデータの分析と原因の明確化

予防の起点になるのは、すでに起きたクレームの分析です。発生したクレームをカテゴリごとに分類して原因を掘り下げれば、商品・サービスの品質とオペレーターの対応品質のどちらに問題があるのかを特定できます。

加えて、顧客の声を分析する「 VoC分析」を定期的に実施すれば、クレームの発生源を継続的に特定し、商品やサービスそのものの改善へつなげられます。データを溜めるだけでなく、読み解いて改善に回す流れを作ることが肝心です。コールセンターの分析に関しては「コールセンター分析の基本|主要KPI・4つの手法とAI活用で解決できる業務」の記事をご覧ください。

予防策2:トークスクリプトの定期的な見直し

トークスクリプトは一度作ったら終わりではなく、商品やサービスの変更、新たなクレームの傾向に合わせて、定期的に更新する必要があります。

古いトークスクリプトを放置すると、顧客からの最新の質問に答えられない場面が生まれ、それ自体が新たなクレームの原因になりかねません。

トークスクリプトの見直しをいつ誰が行うのか、運用のなかにあらかじめ組み込んでおくことで、現場の応対を常に実態へ追いつかせられます。

予防策3:AIを活用したクレーム傾向の自動検出

人手による分析には限界があります。そこで役立つのが、AI音声解析ツールなどを活用し、録音された大量の通話からクレームの傾向とパターンを自動で特定する方法です。全通話を人が聞き直すことは非常に困難ですが、AIであれば網羅的に解析でき、人手では発見しにくい課題まで可視化できます。

この仕組みがもたらすのは、単なる作業の効率化ではありません。経験や勘に頼った運営から、データに基づく科学的な改善サイクルへの転換であり、再発防止の精度そのものを高めることにつながります。

コールセンターのクレーム対応を組織で強化する方法

ここまで紹介した対策を機能させるには、個人のスキルに頼らない組織としての土台が欠かせません。誰が対応しても一定の品質を維持できる体制を作るための、3つの方法を解説します。

対応フローの標準化で品質を均一化する

クレームの種類ごとに、初動対応、エスカレーションの基準、解決までのステップを明文化し、全スタッフが迷わず行動できる標準フローを整備します。

併せて、過去のクレーム事例を成功例も失敗例も含めてデータベース化し、全オペレーターが検索、閲覧できる環境を整えましょう。過去の対応から学べる仕組みが、対応品質の標準化と解決の迅速化を支えます。

エスカレーションルールを明文化して判断基準を統一する

上長へ引き継ぐかどうかの判断を、オペレーター個人の感覚に委ねてはいけません。エスカレーションが必要な場面を重要度と緊急度でレベル分けし、どの問い合わせを誰にどう引き継ぐのかを具体的にフロー化することで、現場の混乱を防げます。

さらに、エスカレーションした事例は対応内容と解決方法を記録し、全オペレーターに共有しましょう。同じパターンの対処法が浸透していけば、一次対応で解決できる件数が増え、結果としてエスカレーション件数そのものの削減につながります。

クレームデータのAI分析で再発防止を加速する

組織的な対応をさらに強化する手段が、AIによるクレームデータの分析です。AI音声解析ツールは、通話音声から顧客のネガティブな感情をリアルタイムで察知し、クレームリスクを早期に検知してSVへのアラートを自動で発報できます。

加えて、クレームの通話データをAIでテキスト化し、感情分析や傾向分類にかければ、手作業では見つけにくい再発パターンを組織として素早く特定できます。検知と分析の両面から、再発防止のサイクルを速めることが可能です。

まとめ:コールセンターのクレーム対応を強化しよう

クレームの根本原因は、商品やサービスの品質、スタッフの対応、顧客の思い込み、ストレス発散の4つに整理できます。どれにあたるのかを特定したうえで対策を講じることが、解決への近道となるでしょう。

謝罪フレーズの統一やNGワードの排除も、個人のスキルに任せるのではなく、組織としてフロー化してこそ再発防止につながります。さらに、AIを活用した感情分析やクレームデータの解析を組み合わせれば、早期検知と対応品質の標準化を同時に進めることが可能です。

コールセンターにおけるクレーム対応の強化のために、AI活用を検討してみてはいかがでしょうか。コンタクトセンターのAI活用に関心がある方は、AI Central Voiceにお問い合わせください。


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