• 作成日:2026.04.17 更新日:2026.04.16
  • 導入事例

DMM.com、30以上のサービスを横断するVoC分析をAIで自動化。最短10分でレポート完成、月150時間の集計工数を削減

合同会社DMM.com

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合同会社DMM.com

合同会社DMM.comは、1998年創業の総合インターネット企業です。動画配信、FX、英会話、ゲーム、太陽光発電、3Dプリントなど、エンターテインメントからインフラまで、多岐にわたる領域で60以上の事業を展開しています。テクノロジーを活用した既存事業の深化に加え、常に新しい価値の創出を目指した積極的な事業投資や新規事業開発を継続。デジタル領域における国内最大規模のプラットフォームを構築しています。

https://dmm-corp.com/

「AIとの壁打ち」と「納得感あるVoC分析」で組織の多角的事業展開を動かす

導入前の課題

・月間数万件のVoCを5名で目視確認する運用が常態化、加工・集計だけで月約150時間の工数が発生
・サービス横断的な集計・分析には毎回手作業での再分類が必要
・本来注力すべき改善提案のための工数が不足すると同時に、課題の重みづけにおいて、各事業部と目線を合わせるための根拠が不足

活用方法

・高精度AIによる全件自動分類と、複数サービスを横断した問い合わせの集約・分析
・月次レポートの作成を自動化
・空いたリソースを活用した、事業部への定量・定性両面からの説得力ある改善提案

 

効果

期待される効果
・月約150時間の加工・集計工数を大幅削減し、導入前検証(PoC)時には1レポートの作成時間が10分に
・30超のサービスを横断したVoC分析基盤を確立
・事業部との対話の質向上と、LTV向上に直結する改善提案サイクルの構築

導入前の課題

VoC分析の現場に立ちはだかる「手作業」と「精度」の壁

DMMは、動画配信・電子書籍・FX・ゲームなど60を超えるサービスを展開するプラットフォーム企業です。プロセスデザイン本部のカスタマサポート部は、これら多様なサービス全体のお客様対応を担うと同時に、VoC(お客様の声)の分析・活用を通じて事業改善に貢献することをミッションとしています。

合同会社DMM.com 牛丸 様、高桑 様、中川 様

VoCをもとにした顧客理解は、お客様の解約防止やLTV(顧客生涯価値)の向上に直結します。特に、サブスクリプション型の「DMM TV」をはじめとするサービスでは、お客様が利用中につまずいた場面を問い合わせデータから把握し、そのつまずきを解消することがサービスの継続利用につながるため重要です。私たちは、こうした顧客理解の深化こそが、事業の持続的な成長を支える基盤だと位置づけています。

しかし、この「顧客理解の深化」を実践するVoC分析の現場には、3つの課題がありました。
1つ目は、既存の自動分類の精度が十分でなく、分類結果の修正に工数がかかっていたことです。月間数万件の問い合わせを担当者5名で、1件ずつ目視で確認・修正する運用が常態化していました。その結果、月次レポートと不定期のレポートを合わせると、加工・集計だけでレポート1件あたり約3時間、合計月約150時間が費やされていました。

2つ目は、既存のAI分類システムがサービスごとにしか適用できず、サービスを横断してVoCを分析し示唆を得るための工数がかかりすぎていたことです。
たとえば「DMM TV」の問い合わせは「DMM TV」内でのみ分類され、電子書籍のデータとは別の箱に格納されます。そのため、全社横断的なクーポン施策を実施した際など、複数サービスにまたがる声をまとめて把握しようとすれば、担当者が手作業でデータを抽出し、再分類するほかありませんでした。

3つ目は、分析に基づく提案に、定量的な説得力が不足していたことです。VoC分析の現場では、問い合わせ内容からサービス改善のヒントが見えていながら、「数値による客観的な根拠」や「問題の全体像」として整理する手立てがありませんでした。
そのため、多くの改善提案が、事業部において客観的な根拠をもって優先度の判断ができないまま、対応予定リストに蓄積されていきました。

「AI Central Voice」導入の決め手

最短10分でレポート作成が完了。「現場の感覚」を「客観的データ」で事業部に共有可能

カスタマサポート部では数年前より、AIを活用したVoC分析の高度化を模索していました。しかし、当時のAIでは膨大な問い合わせ内容を正しく要約・分類する精度が不十分で、長らく試行錯誤を繰り返したものの、分析実務で活用できる水準には至りませんでした。

2025年に入り、AIの業務適用が進む中、改めて課題解決のためのツール選定を本格化させました。
いくつかの分析AIエージェントを試す中で、「AI Central Voice」のアウトプットで印象的だったのは、VoCを正確に読み解く理解力の高さです。
メールフォームや電話でのご意見には、1件のVoCに複数の課題が含まれていることも珍しくありません。導入前検証(PoC)では、「AI Central Voice」がこれら複数の課題を漏らすことなく捕捉し、構造化できることを確認しました。

先述のように、これまで月次レポート作成には、データ集計1件で3時間ほどを費やしていたのですが、「AI Central Voice」を使うと、レポートの作成完了まで最短10分ほどで済むことも確認できました。
AIによる分析結果の内容も、メンバーの手作業による結果と比べて遜色がなく、「これなら現場で十分に運用できる」と確信できました。

各カテゴリの件数が一目で把握できるダッシュボードもあり、別途グラフを作成せずとも、時間による推移も含め全体像を把握できる点も大きなメリットです。現状把握に基づく施策インパクトの推測ができるので、優先順位の検討に活かせます。

 

ダッシュボードでは、カテゴリ別に感情ごとの比率が示され、指定期間の状況が一目でわかる(画像はダミーデータを用いたイメージです)

精度とスピードのほか、PoCを通じて以下の特徴に特に価値を感じ、導入を決定しました。

エビデンスの即時作成
問い合わせを集計、分析していると「この課題を解決すると、事業のボトルネックが改善しそうだ」と感じることが多々あります。しかしVoCは膨大にあるため、こうした感覚を、事業部を動かすほどの定量的、定性的な証拠とともに伝えることは困難でした。
「AI Central Voice」では、現場の感覚を、事業部を納得させるための定量と定性のデータの形で示すことができます。レポート化も最短10分で完了するので、事実の共有とは別に、人が担うべき部分、つまり事業部とのコミュニケーションにリソースをきちんと確保できます。

ダイジェスト画面では、カテゴリや商品ごとのサマリー、インサイト等を一覧で見ることができる(画像はダミーデータを用いたイメージです)

AIとの「壁打ち」を通じ、改善施策を作る
「AI Central Voice」の「Ask AI」機能では、特定期間のVoCの傾向、様々な角度からの要因の深堀り、改善のための提案などを、AIが会話に応じる形で、データに基づき提示します。
このようにAIとの「対話」を通じて、サービス改善に役立つ的確な示唆を迅速に得られる点も、「AI Central Voice」のメリットだと捉えています。

仕組みへの納得感と、定着を左右する使いやすいUI
複数のAIエージェントが連携して前処理・構造化・分析を担う仕組みをロジカルに説明いただいたことで、ブラックボックスになりがちなAI処理への不安が解消されました。特に、「なぜそう分類されるのか」の理屈が見えたことで、納得感が生まれました。

また導入にあたっては、運用メンバーへの定着のしやすさも重視しました。直感的に操作できる設計と、マニュアルを読み込まずとも使いこなせる画面デザインは、現場の利用率を高めるという観点から高く評価されました。
同じ性能のツールが並んだとき、乗り換えの障壁が低いことだけで優位性は大きく変わると考えています。

活用方法と効果

30超の多角的サービス。事業部と目線を合わせれば、VoCが「事業を動かす武器」に

現在、最も大きな業務負荷となっているのが、30超のサービスを対象とした月次や単発のレポート作成に伴う、データの加工・集計作業です。まずは「AI Central Voice」による自動分類を活用することで、目視での分類作業にかかる時間の大幅削減を目指しています。

サービスごとに分断されていたVoCデータを、横断的に分析できる基盤も構築予定です。これにより、クーポン施策など全サービス共通のテーマに対しても、迅速にデータを集計し、根拠のある提言ができるようになります。

加えて、レポートの質的変化と、それにより改善策の優先度を明確にすることを目指します。
「AI Central Voice」ではどのような声がどの程度のボリュームで発生しているのかという、お客様の声の全体像を即座に可視化できます。
これにより、これまでであれば定量的な根拠を欠いたまま対応予定リストに蓄積されていたような課題に対して、数値と「生の声」の両面から確かな優先順位を付けられるようになります。
事業部と目線を揃えて施策の緊急度やインパクトを議論できる基盤の整備は、VoCを「事業を動かす武器」に変える大きな一歩です。

ただし、30超のサービスそれぞれで事業特性や重要指標(KPI)は異なります。事業部が抱える真の課題を理解するためには、相応の対話の時間も必要です。これまで集計やレポートの作成に割かれていた工数を圧縮することで、そのための時間も確保できるようになると期待しています。
各事業部が抱える課題を深く理解した上で、数値とお客様の声の両面から説得力のある改善提案を届けることを目指します。

中長期では、問い合わせデータと、購買履歴やアプリ内での行動記録を掛け合わせた分析も視野に入れています。お客様が問い合わせた後にサービスを継続したかという「その後の行動」までをデータでつなぎ、顧客生涯価値(LTV)の向上に直結する施策へと発展させることが、次の目標です。

今後の展望

VoCは経営の「隠し財産」。事業成長の「原石」であるVoCを、会社の「資産」に磨き上げたい

VoCの持つ可能性について、まだ社内全体への浸透途上にあると認識しています。価値を感じている人とそうでない人がはっきりと分かれており、適切に活用すれば事業改善の原動力になりうる「原石」である一方、切り口や使い方次第では十分に活かされないリスクもあります。
VoCはいわば会社の「隠し財産」です。お客様の声を整えて事業部が使える状態にして届けること、まずはその基盤を確実に作ることが、チームの優先課題です。

この「隠し財産」を会社の「資産」にするために、将来的には、VoCの「民主化」を実現したいです。カスタマサポート部が仲介するだけでなく、各事業部が自らデータを参照し、日々の意思決定に活用できる環境を構築したいと考えています。
今後はマーケティング自動化(MA)ツールや社内アンケートとの連携も視野に入れ、全社で一つの顧客情報基盤を共有していくことが長期的な構想です。

カスタマーサポートの究極のゴールは、サービス改善によってお客様の困りごとを解消し、問い合わせそのものをゼロにすることです。VoCを深く理解し、より良いサービスを実現するために、「AI Central Voice」を起点とした取り組みを加速させていきます。

データ戦略AIエージェント
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