AIによるエントリーシートの分析とは?活用事例やおすすめツールをご紹介

新卒採用期における応募者の殺到、選考期間の長期化による応募辞退、そして担当者の主観に偏る選考は、採用担当者の大きな負担となり、多くの企業が共通して抱える課題ではないでしょうか。
企業文化や戦略に合致し、将来的に貢献してくれる人材の獲得が最重要課題である現代において、こうした採用活動の非効率性や属人化は、競争優位性を左右する深刻な問題です。

この記事では、AIによるエントリーシート分析が注目される背景を掘り下げ、メリットや具体的な活用事例、おすすめのAI分析ツールを紹介します。
本記事を通じて、AIを活用した効率的かつ客観的な採用活動を実現できるようにしましょう。

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AIでエントリーシートの分析が注目される背景

AIでエントリーシートの分析が注目される背景
企業にとって、変化の激しい現代において自社の文化や戦略に合致し、将来的に貢献してくれる人材の獲得は最重要課題です。
しかし、従来の採用手法は担当者の主観に左右されやすく、効率や客観性に課題がありました。

特に新卒採用期は応募者が殺到し、採用担当者の負担は増大の一途を辿っています。
SNSの普及も応募者数増加に拍車をかけ、企業は優秀な人材をいち早く確保すべく、内定時期を早める傾向にあります。

求職者優位の市場では、選考期間の長さが応募辞退の大きな原因となります。
ある企業の採用活動における調査では、約8割の企業が選考期間の長さによる辞退を経験しており、特に規模の大きい組織ほどその傾向が顕著です。
応募者は複数の選考に参加しているため、内定までのスピードが承諾率を左右することは明らかです。

この課題を解決するため、多くの企業は採用活動の効率化と選考期間の短縮に取り組んでいます。
面接スケジュールの最適化、外部へのアウトソーシング、1day選考会の実施などがその例です。
今後、企業は迅速かつ効果的な書類選考と面接を実施し、自社のニーズに合致する人材を確保するために、AIなどの先進技術の活用が不可欠であり、特にエントリーシートのAI解析に注目が集まっています。

出典:株式会社アシスト|AIで履歴書やエントリーシートを自動チェックし、採用活動のさらなる迅速化と正当化を実現

AI分析とは?メリットや活用方法から成功事例を解説

AIでエントリーシートの分析するメリット

AIでエントリーシートの分析するメリット
企業にとって、理念や文化に合致し成長が見込める人材獲得は競争優位性の鍵です。
しかし、従来の採用手法は主観的で改善の余地がありました。
特に新卒採用では、応募者増加による業務圧迫から内定時期が前倒しされる傾向にあります。

そこで、応募書類選考や面接の効率化のため、AI技術導入が有効との認識が広まり、AIを活用したエントリーシート分析が注目されています。
AIによる分析は、以下3つのメリットをもたらします。

採用の効率化

AIを活用したエントリーシート分析は、採用活動の迅速化と効率化に大きく貢献します。
特に新卒採用のピーク時には採用担当者の業務が大幅に増えますが、AIは応募者の情報を他に類を見ない速さで多角的に分析できます。

これにより、選考プロセスが円滑に進み、優秀な人材に競合他社よりも早くアプローチすることが可能です。
具体的には、エントリーシート選考にかかる時間とコストを削減し、採用担当者は採用戦略の策定や候補者との対話といった、より重要な業務に集中できます。
AIの能力と採用担当者の力量を組み合わせることで、採用活動全体の成果を大きく向上させることができます。

採用活動の属人化解消

従来の人材採用プロセスでは、選考基準が不明確であったり、採用担当者の主観や過去の経験に偏った判断がなされたりする点が課題でした。
しかし、AI技術を導入することで、人手に頼る部分を減らし、選考基準の曖昧さを解消することで、採用活動全体の安定性を高めることが期待できます。

AIを活用することで、個人的な意見や学歴による先入観や採用担当者の経験に左右されない、公平な採用判断が可能となります。
その結果、これまで見過ごされてきた潜在能力の高い候補者を発掘できる可能性が広がります。
さらに、判断の根拠となるロジックを明確にすることで、判断プロセスが不透明になるのを防ぎます。
このロジックは、ITスキルを持たない担当者でも柔軟に判断基準の変更や調整が可能で、透明性が高く、一貫性のある採用活動を実現できます。

求める人材のマッチ度向上

企業成長の鍵は、求める人材の獲得です。
AIはエントリーシートの情報を詳細に分析し、応募者の潜在的な個性や才能を客観的に評価します。
過去の採用成功例から学習したAIは、表現力や企業文化への適合性、応募者集団内での独自性などを数値化でき、志望動機から企業への親和性を予測し、応募者の特性を評価します。

これにより、企業は理想の人材を迅速かつ効率的に発見することが可能です。
ニーズに応じて分析設定を柔軟に変更できるため、人材の多様性を促進し、組織全体の多様性を推進します。
AI分析に基づき選考された人材は新たな価値を創造し、企業の成果に貢献する高いパフォーマンスが期待できます。

AIによるデータ分析とは?メリットや活用事例からおすすめのツールもご紹介

エントリーシートや面接のAI分析による採用業務の活用事例

エントリーシートや面接のAI分析による採用業務の活用事例
新卒採用において、AIを活用したエントリーシートや面接分析は、採用活動の効率化や公平性向上、求める人材とのマッチ度向上に影響を与えます。
ここでは、AI分析による採用業務の具体的な活用事例を以下の見出しで紹介します。

【ソフトバンク】評価の標準化

ソフトバンクは新卒採用プロセスにAI技術を導入し、効率化と選考品質の向上を図っています。
エントリーシート選考では、IBM Watsonを活用し、過去の選考データを学習させたAIがESの内容を自動評価しています。
IBM Watsonは論理構成や表現力を数値化し、評価基準の統一化に貢献しています。

さらに、動画面接の評価にもAIを活用することが可能です。
過去のインターンシップデータや採用担当者の評価データを学習させることで、一次面接の合否判断を補助しています。

ただし、AIが不合格と判断した場合でも、人事担当者が再審査を行うことで、公平性を維持しています。
これらのAI導入により、ES確認作業の大幅な時間短縮を実現し、採用選考全体の効率化に大きく貢献しています。
AIの活用は、ソフトバンクの人材採用戦略における重要な要素です。

【横浜銀行】人材の潜在能力の見極め

横浜銀行は2019年度の新卒採用でAI「KIBIT」を導入し、数千件のエントリーシート選考を効率化しました。
入行10年目の社員約300名の過去エントリーシートをKIBITで解析し、「横浜銀行への理解度」や「意欲」が高い社員が、現在の活躍につながる傾向を発見しています。

KIBITの分析により、採用担当者は応募者の志望度を客観的に評価できるようになり、書類選考にかかる時間を約7割短縮することに成功しました。
AIを活用することで、より公平で効率的な採用活動を実現し、企業の成長に貢献できる人材の発掘を目指しています。

【阪神阪急百貨店】応募意欲の見極め

阪急阪神百貨店は2022年度新卒採用で、自己PR動画選考に「HireVue」AIアセスメントを導入しました。
従来の選考で「発言内容・表情・声のトーン」から応募者の潜在能力などを評価していた「HireVue」に加え、AIアセスメントによってビジネススキルをより公平に評価する狙いです。

特に「学ぶ意欲」「状況への対応力」「目標達成意欲と自主性」「協調性」「意思伝達能力」の5つの指標を数値化し、応募者の意欲や企業文化への適応性を客観的に測ります。
採用担当者はPR動画の内容を確認することで、多様なバックグラウンドを持つ人材の確保を目指しています。

【キリンホールディングス】適性の数値化

キリンホールディングスは、新卒採用においてAI活用を積極的に進めています。
2022年度には、応募者の自己PR動画をAIが分析する動画選考を試行し、採用担当者の主観に左右されない公平な評価を目指しました。
これにより、選考にかかる時間を約3割短縮できる見込みです。

さらに、2024年10月からはAI面接システムを本格導入しました。
AIが応募者と面談を行い、応答内容を言語解析や感情分析で評価し、潜在能力や個性を数値化します。
経済産業省が提唱する社会人基礎力を含む16項目に対応しており、選考対象者の増加や選考時間の9割7分削減といった効果が期待されています。

【デジタルホールディングス】応募者の増加

デジタルホールディングスは、対話型AI面接ツール「SHaiN」を導入し、採用活動の効率化と公平性の向上を図っています。
SHaiNは、応募者の発言内容に加え、表情や声の抑揚、言葉の選択といった要素をリアルタイムで分析し、個性や潜在能力を数値データとして可視化します。

これにより、面接にかかる時間的コストを削減し、採用担当者がより多くの候補者と対話できるようになりました。
また、AIが生成した評価データは、採用担当者の評価プロセスを円滑に進め、採用判断の精度向上に貢献すると期待されています。

【株式会社ソフトクリエイト】内定辞退率の低下

株式会社ソフトクリエイトは、新卒採用プロセスを最適化し、応募者の企業理解を深めるために、生成AIを活用した24時間対応のチャットボット「ソフクリAI質問ルーム」を導入しました。
この導入により、応募者は疑問点を容易に解決できるようになっただけでなく、採用担当者の問い合わせ対応の負担も大幅に軽減されました。

運用開始後、学生の企業理解が深まり、内定辞退率の低下に貢献するとともに、採用業務全体の効率化が実現しています。

特に注目すべきは、生成AIの活用によって従来のシナリオとは異なり、新しい情報を追加するだけで自動的に学習し、自然な会話形式で応答できる点です。

【株式会社SAMURAI】入社後の離職率軽減

株式会社SAMURAIは、採用ミスマッチ解消のため、AI適性検査ツール「アッテル」を導入しました。
「アッテル」は適性検査やアンケートデータに基づき、応募者の思考パターンや行動特性を数値化し、企業が求める人物像との適合度を客観的に判断します。

導入後、SAMURAIの離職率は10%台半ばから約4%へと大幅に改善できています。
入社後1ヶ月で成果を上げる社員や、早期MVP獲得者も輩出しました。

これまでの主観的な評価からデータに基づいた客観的な選考への転換により、採用精度が向上し、入社後の定着率向上と活躍人材の確保に大きく貢献しています。
AIの活用が、質の高い採用と組織の活性化に繋がった好例と言えるでしょう。

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エントリーシートのAI分析におすすめのツール4選

エントリーシートのAI分析におすすめのツール4選
新卒採用において、大量のエントリーシートや面接の選考を効率的かつ客観的に行うために、AI分析ツールの導入が進んでいます。
ここでは、特に注目されているAI分析ツールを4つご紹介し、それぞれの特徴を詳しく解説します。

1.AI Central Voice

AI Central Voice

商品名 AI Central Voice
会社名 Techtouch, Inc.
URL https://aicentralapp.com/
料金 要問合せ

AI Central Voiceは、組織内の非構造化データを経営戦略に活かす革新的なツールです。
顧客フィードバックや従業員の意見、アンケート結果など、多様なテキスト情報をAIが解析しやすい形式に自動変換し、構造化します。

例えば、顧客の声を「ポジティブ」「中立」「ネガティブ」に分類するなど、精緻な分析を可能にしています。
また、AI Central Voiceは人事戦略や売上拡大、顧客満足度向上といった経営課題の解決を支援しています。

分析結果はグラフやダッシュボードで可視化され、データに基づいた迅速な意思決定を促します。
組織内の情報を瞬時に共有できるナレッジベースを構築し、業務効率を向上させることが可能です。

2025年には、ナレッジベースと連携したAIチャット機能のリリースを予定しており、要約レポート作成やトレンド分析、将来予測、改善提案などを対話形式で実行できるようになります。
30種類以上の前処理モジュールを活用し、データの最適化やAI生成情報の修正、特定分野への特化学習を行い、高い精度と処理速度を実現します。

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2.Progress Corticon

Progress Corticon

商品名 Progress Corticon
会社名 株式会社アシスト
URL https://www.ashisuto.co.jp/product/category/brms/progress_corticon/#tab
料金 要問合せ

Progress Corticonは、AI研究の成果を応用したルールベースAIで、熟練専門家の知識や思考を再現し、企業内のルーチンワークの意思決定を自動化します。
DX推進に不可欠な迅速性と柔軟性を提供し、ビジネスにおけるあらゆる意思決定をAIで自動化することが可能です。

また、Progress Corticonは推論エンジンを搭載し、人間の判断における矛盾や不完全さを自動的に識別することで、業務上の意思決定を完全に自動化できます。
IT知識がない担当者でも、専門用語を用いて判断基準とアクションを表形式で定義できるため、必要に応じて容易に判断基準の変更や追加が可能です。

3.PRaiO

PRaiO

商品名 PRaiO
会社名 株式会社マイナビ × 株式会社三菱総合研究所
URL https://praio.jp/document_ai/
料金 90日間の無料トライアル

PRaiOは、AIを活用した新卒採用の書類選考支援プラットフォームです。
応募書類のスクリーニング時間短縮や有望な候補者の特定、ESの剽窃検出など、採用における課題を解決できます。
PRaiOは、独自の「優先度診断」と「HaRi」機能により、過去の選考データに基づき応募者を5段階で評価しています。

さらに、SaaS型のAIモデル構築ツールを無償で提供しています。企業は独自のAIモデルを構築・最適化し、分析根拠を明確化、選考基準やES特性を視覚的に把握することが可能です。
導入企業からは、ES選考時間の約40%削減やAI高スコア者の選考通過率・内定率向上、採用人数増加といった成果が報告されています。
PRaiOは、採用活動の効率化、客観性・一貫性の向上、採用担当者の負担軽減に貢献する革新的なツールです。

4.SkyFox HR

SkyFox HR

商品名 SkyFox HR
会社名 セカンドサイト株式会社
URL https://www.sxi.co.jp/aiproduct/skyfoxhr
料金 要問合せ

SkyFox HRは、セカンドサイト株式会社が提供する人材分析サービスで、2021年にAI活用による採用パフォーマンス向上でNo.1の評価を得ました。
エントリーシート選考の効率化と、変化する次世代の採用活動を支援することを目指しています。

このサービスの最大の特徴は、独自のAIモデルによるエントリーシート分析です。
応募者の個性や才能を多角的に評価し、企業が求める人材像に合致する候補者を迅速に抽出します。

AIは過去の採用データを学習し、キーワードだけでなく文章表現力や企業との適合性、応募者全体の独自性を評価します。
特に、オリジナリティを示す「特色度」を数値化し、人材の多様性確保をサポートしています。

SkyFox HRの導入により、エントリーシート選考の時間と労力を削減し、人事担当者はより戦略的な業務に集中することが可能です。
また、選考基準の安定化により属人的な判断を排除し、先入観や学歴に左右されない公平な採用を実現します。

これにより、これまで見過ごされてきた潜在能力の高い人材を発掘し、企業の目標達成を人材面から支援します。

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まとめ:エントリーシートAI分析で採用業務DXを加速させる

まとめ:エントリーシートAI分析で採用業務DXを加速させる
この記事では、エントリーシートのAI分析について解説してきました。
AIによるエントリーシート分析は、現代の採用における課題解決に不可欠となっています。

応募者の増大や選考期間の短縮といったニーズに応え、AIは選考時間の大幅な削減と担当者の負担軽減に貢献します。
採用の効率化や評価の属人化解消、求める人材とのマッチング精度向上が主なメリットです。

主観に左右されず、応募者の潜在能力や企業への適合性を客観的に評価し、質の高い人材を確保します。
ソフトバンクや横浜銀行など多くの企業が導入しており、評価の標準化や離職率の低減といった成果を上げています。

採用業務のDXを加速させる多様なAIツールも提供されています。
この記事で紹介したツールを参考に、AIツールを導入してみましょう。

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